◆~恋色模様~◆ .★*゚なみだ模様゚*★.
「持ってく。
他に借りる本は?」
「な……い…です」
「じゃ、いいね」
そう言ってスタスタと前を歩く蒼くん。
え? え??
「柏木さん?」
後ろに振り返り、私を呼ぶ蒼くんについていく。
なんか持ってもらっちゃってる。
蒼くん、優しいなぁ……。
今まで蒼くんをよく観察したことなんて無かったけど、蒼くんて姿勢がすごく綺麗。
背筋真っ直ぐだ。
歩き方もぶれて無くてすごく綺麗。
こんな綺麗に歩く男のコっているのね。
歩いてるときの髪の毛のなびき加減もなんか綺麗だなぁ……。
うん、蒼くんは綺麗な人だ。
またなんか、泣きそう……
「柏木さん」
「え?」
「え?
じゃなくて貸出しカード」
「えっ あっ」
蒼くんに言われて慌てて貸出しカードをカバンの中から出す。