◆~恋色模様~◆ .★*゚なみだ模様゚*★.
ガタン!と少し大きな音がしたから教室を覗くと、教科書は散らばってるし、机は倒れている。
机、倒したんだ。
「大丈夫?」
柏木さんの近くに寄って手伝い始めると泣きそうな声で ごめんね? って謝ってくる。
その上目遣いにドキッとさせられる。
……なんか悔しいな。
「じゃ、今度こそ帰ろうか、萌」
「えっ?」
“萌”って言葉に顔を真っ赤にして、オレを見上げる萌はものすごく可愛かった。
悔しい、のはその顔でお釣りがきたからいっか。
萌ってのもなんか意外にしっくりきたし。
真っ赤な泣きそうな顔で
「そ、そ、蒼くん、なななま、え!」
なんてあまりにも動揺するから。
オレの一言でそんな反応を見せてくれるんだって、
オレのが泣きそうなくらい萌を愛しいと思った。