◆~恋色模様~◆ .★*゚なみだ模様゚*★.
「ごめんね……?
…こんなこと言って」
「全然!
こっちこそごめん!!
返ってごめん!!」
「ふは、碧慌てすぎ、ウケる(笑)」
急いで私からタオルを外す碧くんを見て、蒼くんが口元に手を置いてくくくっと押さえぎみに笑う。
蒼くんが笑うとこ初めて見た…。
こんな風に笑うんだ。
すごい、こんなに近くで蒼くんが笑うとこを見れるなんて、本当にすごい。
「ってか碧は何しに来たんだよ」
「あぁ。 今日はもう部活終わったから、一緒に帰ろうかと思って」
「小学生かよ」
「んなっ てめっ」
「冗談だよ。
オレももう帰れるし、昇降口な」
「おー」
バタバタと音をたてて図書室を出ていく碧くんが、なんだかとても碧くんらしいな、と思った。
「柏木さんももう帰るんだよね?」
「え、あ、はい」
「じゃぁ下まで一緒に行く?」
「も、もちろん!」
「あ、本。 はい」
まだ取って無かった本を蒼くんが手渡しで渡してくれる。
「あり、がと…」
「どういたしまして」
本当にクールで。
あんまり笑顔見せなくて。
でも時々優しくて。
なんだかそんな蒼くんがとても好き、なんだ。