Police Love Story~君を守りたい~(加筆修正完了!)

糸口


その沈黙を破るかのように晃一さんの携帯が鳴った。

「はい、佐戸田。
あぁ……それで?……
わかった。すぐ行く」

どうやら、警視庁からのようだ。


「毬子と紅実ちゃんは、誘拐されたことは確実だ。
警視庁のホームページの掲示板に私宛てにメッセージの書き込みがあったようでね」

パチンと携帯を閉じ、
ため息をつきながら晃一さんは言った。

「要求はあったんですか?!」


「いや、それが、特に書いてなかったようだ…」



智哉と俺は、手掛かりを探そうと彼女と会った時の様子を思い出してみた。


「あの、以前ストーカーされたという男は?」


「あの時は特に刑罰は与えてない。
毬子の希望でね…
彼も未成年だったし…」


「その彼の可能性は?」


「……正直、俺もわからん…。
でも、何か手掛かりはきっとある。
君らも何か気がついたことがあったらすぐに俺の携帯に」


スーツの内ポケットから
名刺ケースを取りだし、
俺と智哉に名刺を差し出した。



「じゃ、俺は戻るから。
わざわざ、悪かったね。
何で…何で毬子が、君らを頼るのがわかった気がしたよ…」


俺らにそう言って、
背を向けリビングを後にした。




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