Police Love Story~君を守りたい~(加筆修正完了!)
入院してから、10日が経ち、俺の頭の怪我もほぼ完治に近い状態になった。
日常生活に必要な記憶は、大丈夫のようだが、
自分のことや、周りの人たちに関する記憶が、
全くといっていいほど、思い出すことが出来ない。
こういった軽い記憶障害は、
何かのきっかけで、思い出すことが多い、と担当の先生は言ってくれた。
診察室から、病室へ戻ると、また、あのイケメン医師がいた。
「やぁ、啓人くん、診察はどうだった?」
彼女との散歩で会った日以来、ちょくちょく俺の病室に来る。
目的は、俺じゃないことくらい、簡単にわかる。
でも、残念だが、彼女の来る時間帯には、
このイケメン医師は、彼女と会えてはいない。
「えぇ、まぁ、大丈夫です」
「今日、ちょっと啓人くんに伝えておきたいことがあってね」
「何でしょう?」
いつもは、ちょっと軽い感じの口調が、一気に真剣な顔つきと口調になった。