顔のない恋
恐らく、私も家に居なくて、温めるだけ程度だか
夕飯の支度なんかを自分がやらなくてはならなくなったお父さんは、

やり場のない苛立ちをお母さんにぶつけていたのだろう。



憤りと哀しみが渦を巻いて体中を駆け巡り、痛みとなって胸に突き刺さった。


どうしよう…

考えてみたって所詮私には

「ねえ、家出よう?」

これくらいしか思いつかない…。

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