顔のない恋
そのかいあってか、
お父さんがお母さんに手をあげることはなくなった。


同時に、言い合うことも無くなった…。

正確には、言い合わなくなったと言うか、顔を合わせてもお互い口もきかなくなっていた。


やっぱり私はその空気に堪えられず、二人が居合わせる時は、部屋に篭っていた。

そんな私の心の寄り処は
ケンジ…

勝手で、都合良すぎるかも知れないけど、
家同様帰る場所は…

此処だった。

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