顔のない恋
Ⅰ章 3年前
15―春―
私が高校に入ると、
家計と私のために、
お母さんは夕方から飲食店で働くことになった
帰りは11時過ぎ、
姉は、三年生なのに進学はしないと、
毎日バイトか遊びで殆ど家にはおらず、
お母さんが下準備した夕飯の仕度は専ら私がやっていた。
「今日は…、
フライパンの中の魚の煮付けを温める
切ってある野菜と肉を炒める
後は、鍋の味噌汁と、
冷蔵庫の中の物を適当に…か」
学校から帰ってきて、
シンとした、真っ暗な部屋の電気を点け
テーブルの上に置かれたメモを見ながら独り言。
家計と私のために、
お母さんは夕方から飲食店で働くことになった
帰りは11時過ぎ、
姉は、三年生なのに進学はしないと、
毎日バイトか遊びで殆ど家にはおらず、
お母さんが下準備した夕飯の仕度は専ら私がやっていた。
「今日は…、
フライパンの中の魚の煮付けを温める
切ってある野菜と肉を炒める
後は、鍋の味噌汁と、
冷蔵庫の中の物を適当に…か」
学校から帰ってきて、
シンとした、真っ暗な部屋の電気を点け
テーブルの上に置かれたメモを見ながら独り言。