学び人夏週間
これは僕が本当に体験した話なんです。
みんなと勉強した塾の仕事の帰り道。
僕は原付バイクで通勤していますから、いつものようにヘルメットをかぶって、普通にエンジンをかけて、家までバイクを走らせていました。
時間は夜の11時過ぎ。
みなみ塾を出て、しばらく大きくて明るい道を走り、途中で人通りも車の通りも少ない、街灯もない道へ入ります。
明かりは僕のバイクのヘッドライトだけ。
頼りないですが、道路の中央線や車道外側線は光を反射する素材で引かれていますので、走行に困ることはありません。
歩道が狭くて、昼であれば、まあまあ安全なんでしょうけど、夜に人が歩くにはとても危険なんです。
その夜は、そんな道を、小さな女の子が歩いていたんです。
夜の11時過ぎに、真っ暗な道を、小さな女の子が。
はっきり覚えています。
髪が長くて、白いワンピースを着ていました。
白は光をよく反射しますから、真っ暗なその道で、とても目立っていたんです。
おかしいなとは思ったんですが、声をかけたりすると、まるで僕の方が不審者ですよね。
近所の子供が親とケンカでもして飛び出したんだろう、くらいに思って、勝手に納得しました。
お腹も空いていたし、早く帰りたい。
僕はそのまま女の子を追い越して、走り続けました。
その道を抜けると、明るくて広い道路に出ます。
交差点の信号待ちをしていると、少し寒気がしました。
その日は体調があまり良くなくて、そのせいかなと思いました。
だからちょっと急ごうと思って、いつもよりスピードを上げて走ったんです。
そしたら……。
たまたま通りかかったパトカーに、停まるよう促されてしまったんです。
スピードを上げたからだ、と思いました。
ところが。