学び人夏週間
昼休み。
窓の外を見ると、空がどんよりと暗く、気分まで暗くなったような気がした。
雨は朝よりもずっと激しくなっている。
台風が近付いているということだが、風も強い。
昨日までランチタイムの食堂は窓から差し込む日の光で照明要らずだったのに、今日は蛍光灯頼り。
ピカッと稲妻の光が走り、生徒たちが軽く悲鳴をあげた。
何秒か後にゴロゴロ雷の音。
雨はまだまだ止みそうにない。
「よっ」
隣の椅子が引かれ、そこに俊輔が着席。
私は声を小さくして尋ねた。
「松野と飯島がくっつきそうだって言ってたじゃん?」
「うん」
「結局どうなったか知ってる?」
俊輔はパッと嬉しそうな表情になった。
「無事にくっついたっぽいよ」
「……そっか」
なんだ。
てっきり飯島とうまくいかなくて悩んでたのかと思ってたのに、違ったみたい。
だとすると……ケンカの相手は女友達ということか。
もしもそうなら最悪だ。
女同士が揉めるとメンタルをえぐられるように消耗するし、それが長引く。
課題すら手に付かないのも無理はない。
「何かあった?」
私が考え込んでいるのを見て、俊輔が首をかしげる。
「朝から松野の様子がおかしいんだよね」
「え? 幸せすぎて?」
「違う。逆だよ。かなりヘコんでる」