赤の国と青の国
星の降る夜に考える

あのシェルターの向こうには 星は降っているのか と

青く澄み渡る空を見て考える

あのシェルターの向こうには 青空はあるのか と

僕は 何も知らない

あのシェルターの内側を

僕は 何も知らない

そこにどんな人達がいるのかも

彼らがどんな瞳の色で どんな声を出し

どんなことを想っているかなど

想像する事も許されない



だから 僕は 考える

なぜ 戦っているのだろう

戦う相手を知りもしないで

なぜ戦わなくてはならないのだろう

心を閉ざしたままで

僕の心の中には

闘争心など もう生まれては来ない

そこにあるのは ただ 途方もない 虚しさと

憎しみ合うことへの疑問ばかりだ



シェルターの中の人たち

君たちは どうなのか

君たちが 今 本当に望んでいるのは

やはり 戦う事なのか

その心の中にあるのは

いったい何だ


そして僕は考える

二つの国が分かり合うことは

はたして 不可能なことなのか…






< 15 / 39 >

この作品をシェア

pagetop