赤の国と青の国
想い
“お互いをもっと知りたい”と思う気持ちは、二人の間にある分厚い壁を少しずつ溶かし、二人の心の距離はどんどん近くなっていきました。
そして、いつしか少年と少女は、その姿も知らないまま、惹かれあうようになっていました。
けれど、二人は初めから分かっていました。
二人が結ばれる事など、所詮不可能な事だと・・・。
少年は赤の国の王の息子であり、少女は青の国の王の娘・・・。
自分たちの想いを実らせる事は、自国を、そして家族を裏切ることに他なりません。
そして、少年と少女の心の中に、小さな罪悪感が生まれ始めた頃、 その出来事は起きてしまいました。