赤の国と青の国
少年から娘のもとへ、最後に送られてきたメッセージを両親は見ていました。

碧の森・・・。

それは、二つの国がまだ二つになっていない頃から、小さな星の中で最も神聖な場所として存在しているところでした。

二つの国はそれぞれに、昔から暗黙の了解事として、その森だけには近付かない事を定めていました。


はたして、碧の森で娘は生きていく事が出来るのだろうか・・・。

両親は考えました。

そこは、シェルターの外。

おそらく、二つの国のどちらの人々も、近付いた事はないであろう場所・・・。

そこにはどんな危険が待っているか知れません。

娘の両親は、悩み、苦しみました。

そして、ひとつの結論を出しました。

この国で、死んだような生活を送るくらいなら、少年のもとへ行かせてやろう。

たとえそれが、やはり死に至る道だったとしても・・・。


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