赤の国と青の国

同じ頃、赤の国の王宮でも、その両親が頭を抱えていました。

息子が突然、一通の置き手紙を残して姿を消してしまったからです。

その手紙には、両親が思ってもみない事が書かれていました。


青の国の少女を救いに行く?!
二つの国から戦いを無くすだと?!

あいつは何を考えているのだ!!

少年の父親は怒りに震え、母親は泣き崩れました。

赤の国最高の権力と、技術と、才能を持ちながら、みすみすそれを捨てるというのか!

赤の国の勝利は、もう目前に見えているというのに・・・

国王である父親は、国中のあらゆる端末へ、息子の消息を問うメッセージを流しました。

しかし、どこからも、応えはありませんでした。

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