赤の国と青の国
娘は泣きながら訴えました。
「もう戦いは止めてください。戦いからは何も生まれない。
どうか心の目を開けて、相手の国を見てください。
分かってあげてください。」
赤ん坊は、朝焼けのように鮮やかな紫色の髪をしていました。
それを見た二つの国の戦士たちは思いました。
自分たちは、なぜお互いを分かろうとはしなかったのだろう。
お互いを知ろうとする行為を禁じる事など、あまりに無意味な事ではないか。
確かに、戦いで生まれるものなど何も無い。
それよりも、戦いをやめる事で生まれて来るものの、何と有意義で希望に満ち溢れていることか!
二つの国の王は思いました。
子供たちは二つの国が何百年かかっても出来なかった事を 命掛けでやろうとしたのだ。
それに引き替え、自分たちの なんと愚かだった事か…。