赤の国と青の国
疑問
しかし、少年には物心ついた頃から、ずっと心に引っ掛かる一つの疑問がありました。
なぜ、自分たちは戦っているのか…
幼い頃 王女である母親に聞いた答えはこうでした。
「負けない為よ。 人は負けてはいけないの。人は 勝つ為に生きているのよ。」
幼かった少年は思いました。
「僕は 誰にも負けない。赤の国の誰よりも、青の国の誰よりも優秀な技術者になってみせる」と。
そして少年は日々精進していきました。
「負けない為に…負けない為に…」
けれど、ある時 自分の作ろうとしている物が、なぜ ミサイルなのか、分からなくなりました。
負けない為に作るものは、なぜミサイルでなくてはならないのか…