【連作】そらにかなでし〜平安朝禁断恋草紙①〜
「一の姫様があんまり愛らしくていらっしゃるので、それで、見とれてらっしゃるのでしょう?」

ますます、頬を膨らませて、姫がそう言うので、一の君は、たいそう驚かれて、

「香月姫、なぜ、そうおっしゃるのです」
と、慌てておっしゃいました。

その物柔らかいかんばせを、紅色が、染めていきます。
< 10 / 40 >

この作品をシェア

pagetop