【連作】そらにかなでし〜平安朝禁断恋草紙①〜
「ええ。では、よろこんで……」
そのお手の中の薄様を、そっと袂に落とし込みながら、一の君は、微笑んでお答えになりました。
一の姫の涼やかな目元が、ほころびます。
「まあ、一の君。嬉しいですわ。どうぞ、こちらへいらっしゃい」
さ、しゃら、と、一の姫の着物の裾が床にこすれて、微かな音をたてました。
そのお手の中の薄様を、そっと袂に落とし込みながら、一の君は、微笑んでお答えになりました。
一の姫の涼やかな目元が、ほころびます。
「まあ、一の君。嬉しいですわ。どうぞ、こちらへいらっしゃい」
さ、しゃら、と、一の姫の着物の裾が床にこすれて、微かな音をたてました。