【連作】そらにかなでし〜平安朝禁断恋草紙①〜
一の君の笛の音も、一の姫の琴の音も、いずれもただひとつとても素晴らしくあられますれば、その重なるにつけては、例えようのないものでございます。

「いかに、いかに。これほどの音を、このように幼き者どもが、出せようとは」

杯をいくらも空にせぬうちに、帝がこのようにおっしゃるので、大臣も、悪い気持ちにはなりません。
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