【連作】そらにかなでし〜平安朝禁断恋草紙①〜
弦をはじく手をおとめになって、一の姫が、お袖でそのいとけなきかんばせをお隠しになられて、
「今年で、十になりましてございます」
と、細くお答えになりましたところ、帝は、少し真面目なお顔におなりあそばして、
「うむ……」
と、考えるようなお声でおっしゃいました。
「今年で、十になりましてございます」
と、細くお答えになりましたところ、帝は、少し真面目なお顔におなりあそばして、
「うむ……」
と、考えるようなお声でおっしゃいました。