【連作】そらにかなでし〜平安朝禁断恋草紙①〜
弦をはじく手をおとめになって、一の姫が、お袖でそのいとけなきかんばせをお隠しになられて、

「今年で、十になりましてございます」

と、細くお答えになりましたところ、帝は、少し真面目なお顔におなりあそばして、

「うむ……」

と、考えるようなお声でおっしゃいました。
< 31 / 40 >

この作品をシェア

pagetop