【連作】そらにかなでし〜平安朝禁断恋草紙①〜
その小さな才児のお噂は、ほどなくして、主上(おかみ)のお耳にも、とどくほどになりました。

主上は、このお噂を聞くにつれて、たいそう面白くお思いになって、あるひ、とうとう、左大臣をお召し出しなさって、

「そなたは、よい子らにめぐまれておるそうだな」

と、楽しげにお笑いになりました。
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