【連作】そらにかなでし〜平安朝禁断恋草紙①〜
「兄上は、姉上がとてもお好きなのだもの。僕や二の姫などよりも、ずっと長い間、姉上とお過ごしになるのだもの」

少し後から、じゃれあう二人に追いついていらっしゃった弟君が、そう、無邪気におっしゃいました。

それから、兄君の袖の端をつかんで、

「それ、つかまえましたよ、兄上。次は兄上が鬼ですよ」

とおっしゃって、小さくお首を傾けられます。
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