夏ひととき-ボールを追った、あたし達の恋-



あたしはばかだ。

野球、頑張る安藤尚が好きなんだから、
遠くに感じる必要なんてないのに。








「あのね、つまんなそうだったっていうの、多分…落ち込んでただけなんだ。」




「なんで?」





「次の試合、安藤尚にとって、最後の試合じゃない?でも、あたし、最近になるまで気付かなかったの。
サイテーじゃん……。あたし。だからね、その…
目が合ったとき、少し、顔あわせらんなくて……」





「そんなこと?」



そんなこととは…
あたしかなり悩んでたんだけど!





「俺は、お前が応援してくれてるっていうのが一番の支えなんだよ!!
お前が応援してくれてるって思っただけで、頑張れるんだ。
だから……」





< 106 / 154 >

この作品をシェア

pagetop