夏ひととき-ボールを追った、あたし達の恋-
「……ラッコ先輩。」
「えっ?」
急に話しかけられて、ラッコ先輩はビックリしていた。
「まだ、安藤尚のこと、怖いですか?」
ラッコ先輩は、
うつむいて、
少し、頷いた。
「うん。やっぱ、怖いし、許せない……かな」
「そうですよね。ごめんなさい。」
そういうあたしに、優しいラッコ先輩は
首を振りながら言った。
「あ、でも!
夏奈の彼氏ってことは、いい人とは思うよ?」
「あ…ありがとうございます」