ハート
「こ、こんばんは…」


突然の出来事に、私が戸惑っていると、
彼は私を安心させるように優しく微笑んだ。


「たまたま見かけたからさ。今、帰りでしょ?寒そうだし、良かったから送ってくよ」


手で、助手席を指しながら合図された。


「でも……」


私が迷っていると、後ろから他の車がやってきてしまった。

「早く早く~」


促されるままに、
気がついたら 彼の車の助手席に座っていた。

中はとても暖かくて心地良かった。


「外、寒かったでしょ?」


暖房を強めながら、彼が言った。


「寒いを通りこして痛かったです…
本当に助かりました。ありがとうございます」


彼は窓を少し開けて煙草を吸いながら


「あんな寒そうにしてる子、放っておけるわけないじゃん」

と笑った。



それからナビで家の場所を教えて 近くまで送ってもらった。



帰り際、一言

「またいつでも送ってやるよ」

と言って 携帯番号とメールアドレスを教えてくれた。




偶然から生まれた必然が…

今、少しずつ動き始めた。


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