ハート
映画まではまだ時間があったので、近くのファミレスでお茶でもすることにした。


テーブルに向かい合って座ると、何故か少し胸がドキドキした。



改めてよく見ると、まーは女の子をドキドキさせるような要素をいっぱい持っていると思う。


大人っぽい雰囲気や、仕草。
とにかく、全部を含めて格好良い。



初めて見たとき鋭く見えた顔立ちも、何度も見ているうちに、優しく緩やかにさえ見えた。

目は大きいけれどタレ目なので、そこにも愛嬌がある。


彼のことをそんなふうに見られるようになったのは、きっと私が彼の外見だけではなく内面も少しずつわかってきたからだ。



「どうかした?」


私がボーッとしていると、まーが覗き込んできた。


「あぁ、なんでもない 
なんか、不思議な感じだなーと思って。 前はただの患者さんだった人と、今はこうして一緒にお茶したりしてるんだもん」


「…本当だな~」

少し間を置いて、返事が返ってきた。





しばらくすると、私が頼んだパフェがきたので二人で仲良く半分こして食べた。

正確には半分こじゃなくて、私が食べきれないのをまーが食べてくれたのだけれど。


パフェ一つも一人で食べきれない私の小食っぷりに、まーは少し驚いていた。




でも、パフェの食べっぷりくらいで驚かれていては困る。


私はまだまだ、彼を驚かせるようなことをたくさん隠し持っているのだから。









そんなこんなで、時間はあっという間に過ぎ、映画の時間になった。
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