ハート
October

19才

2008年10月1日。




全ての始まりは、私「ナナ」の19才の誕生日だった。












19歳になった私は、ごく平凡に生きているありきたりな女子大生だった。　



毎日大学へ行き、大学が終わるとアルバイトへ向かい、家に帰るのは22時過ぎ。

そんな毎日の繰り返し。



特に楽しみもなく、これといった目標も何もなく、無駄な毎日を過ごしていた。



もともと人付き合いが苦手で、自分をなかなか表へ出さない性格の私の周りにある世界は、大学とバイト、その二つだけだった。

その二つで構成された私の世界は、他の同じ19歳の人たちから見たら、何の魅力もない退屈な毎日と思われるに違いない。




あと一歩踏み出せば、また違う世界が待っているのかもしれない。


あと一歩踏み出せば、まだ知らない新しい自分に出会うことができるのかもしれない。



わかっているのに、その一歩を踏み出そうとしないのには理由があった。









それは、


私は、私の人生は最初から決められたものであるということを知っていたから。



そう、私の運命は生まれたときから決められていた。











だから、私は心のどこかでいつも人生なんて諦めていたんだ。


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