ハート
「うわぁ~、どこが散らかってるの?超キレイじゃん!!」


まーが一人暮らしをしている家は、普通のアパートだったけれど、中は思った以上に広く綺麗で片付いていた。
そして白と黒で統一された、まーらしくオシャレな部屋だった。


「そんなことないよ~、汚いって」

口ではそう言いながらも、褒められて まーも嬉しそうだ。


黒いソファーに案内され、まーは外の自販機で飲み物を買ってきてくれた。


「はい、ナナはミルクティーだよね」


「私が好きなの覚えててくれたんだ!ありがと」



どんな些細なことでも、自分のことを覚えていてくれたことが本当に嬉しかった。


「でもまーは紅茶嫌いなんだよね。 いつもコーヒーばっかだもん」

隣でコーヒーを飲んでいるまーを見ながら言うと


「そうそう、俺紅茶の匂いが駄目なんだよね。よく知ってるじゃん。 」


そう言って、頭を撫でてくれた。




そして、体ごと私の方に向き直り、「おいで」
とハグしてくれた。




「飲み物の好みは合わないし、年もこんなに離れてる
けど、 俺たちなんか気が合うよね。 ナナと一緒にいると楽しいし、なんか落ち着く。
仲良くならなければ、ナナがこんな子だって知ることできなかったし」

そのまーの言葉は本当に素直に嬉しかった。



「私も、まーと一緒にいると楽しいし なんだか幸せ。
まーと仲良くなれて本当に良かった」


まーはそう言った私をギュッと強く抱きしめてくれた。



心と心が通じ合った瞬間。



それはとても幸せな一時だった。






その瞬間気づいた。

私はもうまーに恋してるんだって。


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