ハート
外に出ると、白いエスティマが待っていた。


すっかり乗り慣れた助手席に座ると、まーが優しく頭を撫でてくれた。


「無理するから風邪こじらすんだよ。
 大丈夫、俺がついてるから。 とりあえず、場所だけ移動しよ」


そう言って、近くのコンビニの駐車場に車を駐めた。


まーが一緒にいてくれる…

私はそれだけで、なんだかとても安心した。


まーは、

「ちょっと待ってて」

と言って車を降りると、コンビニでマスクとレポート用紙とペンと封筒を買ってきた。


そしてまず、私にマスクを付けさせた。


「ありがと」

小声でそっと言うのがやっとだった。


まーはいつもみたいに

「気にすんなよ」

と言うと、私にペンとレポート用紙と封筒を渡した。



「これで、整骨院の先生に風邪で声が出なくてバイトいけないって手紙書きな。
それで、昼休みにでも持ってこ。 俺が連れてくからさ」


なんて対応が大人なんだろう。

私は感心して、何度も頷いてしまった。



もしまーがいてくれなかったら、私はきっと一人でパニックになっていたに違いない。




それから、まーの提案通り 昼休みに手紙を届けに行った。

全て上手くいき、 私はやっと安心することができた。


全部まーのおかげだ。
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