ハート
その日は手紙を届けた後、まーの家で二人でゆっくりくつろいだ。


まーは私の体調を心配し、家に帰った方がいいと言ったのだけれど 私が一緒にいたいと我が儘言ったのだ。


まーのベッドに二人で横になり、まーが横から私の背中や頭を優しくさすってくれた。


気持ちよくて、思わず眠くなってしまう。


私がトロンとしていると、まーが唇をなぞるようにして触ってきた。


「可愛い唇。肌も白くてスベスベしてるし、ナナはまだ若いよなぁ…」


「まーだってまだまだ若いじゃない」


小声で私が言うと、


「ナナに比べたら、もうオッサンだよ」

と、笑われた。


まーは相変わらず、私の頬や唇を触っている。





「キスしたいな…」



ふと、まーが呟くように言った。



「ダメ…?」



まーが私の顔を覗き込む。


だめな訳がなかった。


「いいよ」


私が小声でささやくと、まーに嬉しそうにギュッと抱きしめられた。


そしてそのまま、キスをした。



彼とする初めてのキス。



それは、
私が今まで知っていた中で一番甘くて、一番優しくて、そして一番幸せなキスだった。
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