ハート
12月。


まーと出会って2ヶ月。 

仲良くなって1ヶ月が過ぎた。




まーは相変わらず、私がバイトのある日は必ず整骨院へ来てくれたし 帰りも送ってくれた。

週末も必ず一緒に過ごした。




先週は、ドライブしながら横浜へ行った。


私が海が見たいと言ったから、まーが連れて行ってくれたのだ。


手を繋いで、海を眺めながら山下公園を散歩した。



私は昔から海が好きだった。

ただ眺めているだけで、何故かとても落ち着く。


広い広い海に抱きしめられているような、守られているような…

そんな不思議な感覚がするのだ。



「私、死んだら海に帰りたいな」


そう呟くと



「そんなこと言うなよ。みんな死んだら、必ず墓に入るんだからさ」

と、笑いながらまーに言われた。



「そうかなぁ。私は死んでもお墓なんて入りたくないな
。広い海にでも撒いてもらった方が自由になれて嬉しいもん」




それは私の正直な気持ちだった。



それに対しては、まーは何も返さなかった。







海の上を吹く風だけが、返事をするかのように強く吹きぬけて水面を揺らしていた。
< 27 / 78 >

この作品をシェア

pagetop