ハート

忘れられない一夜

待ちに待った12月23日がやってきた。


「いってきまーす」

いつもより少し多めの荷物を持って玄関を出る。

クリスマスを一緒に過ごせない代わりに、この日は初めてまーの家にお泊まりするのだ。


そしてこの日は、まーに迎えにきてもらうのも断った。

前から一度 一人でまーの家まで行ってみたかったから。


一日中ずっとまーと一緒にいられると思うと自然と心が弾む。

私は軽い足取りで まーの家へと向かった。


まーの家のすぐそばに着くと、 向かい側の道からまーが歩いて来た。

両手には、ミルクティーとコーヒーを抱えている。


「いらっしゃい、ナナちゃん」

私のほっぺたにミルクティーをくっつけながら、まーが言った。

嬉しくって、私はそのままギュッとまーに抱きついた。


まーはそんな私の頭を、いつものように優しく撫でてくれた。
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