ハート
「ナナの病気のことを知ってしまった以上、もう今まで通りの関係は続けられない…」










暗い谷底に突き落とされたような気分だった。



  

「どうして…?まーどうして…?」



涙が止めどなくあふれ出て、息も苦しいくらいだった。




「だって無責任じゃん、俺。 最初っから転勤があるってわかってながらナナに近づいて、その上、ナナの命が短いことをで知ってしまったのに平気で今までみたいに手出したりなんて…できるわけないよ」





「別にいいじゃない。私が望んでることなんだから、気にしなければいいじゃない!!」



「やめて」



今度はまーが私の言葉を遮る。




「別にもう会わなくなるとかそんなんじゃないんだから、大丈夫だよ。 ただ、今までみたいな恋人関係にはなれないってこと…。
これからは、兄弟みたいなかんじでいよう。
いきなりは難しいかもしれないけど …
これは、俺自身のケジメなんだよ」




 
それ以上、返す言葉がみつからなかった。



私が何を言っても、まーの決意は変わらないだろう。







そしてそのまま車で家まで送り届けられ、

長かったクリスマスの夜は何もなかったかのように過ぎていった。


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