ハート
あれから数日後。


まーは休暇を取って、九州にある実家に帰郷した。

此処埼玉で一人暮らしをしているまーは、年末年始は毎年必ず実家で過ごしているのだそうだ。





ところが

まーが帰郷した日の夜、私の体に急に異変が起きた。





突然、今まで感じたことのないような恐ろしい胸の痛みと激しい呼吸困難に襲われた私は 助けを呼ぶこともできず、朦朧とする意識の中 無意識にまーにメールを送っていた。




「たすけて、まー 苦しい」








そして携帯を握りしめたまま、 私はベッドの下に倒れて意識をなくした。
















夢の中で、まーに会った。




夢の中のまーは、まだ病気を告白する前のように
私を抱きしめていっぱいキスしてくれた。

私が「好き」というと、「知ってる」とベロを出して、いつものようにからかった。




それは、私の知っている私の大好きなまーだった。





もうあの頃のような関係には戻れないの?



私が病気のことを話したから?



私が病気だということを知ったからまーは離れていったの?






なんで私はこんな体に生まれてきてしまったのかな…?









意識のない私の瞳から、涙だけが一筋溢れ落ちた。


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