ハート

1月も半ばになった。


私は今週もずっと入院している。

なかでも今日は一段と具合が悪く、朝からずっと胸の痛みと吐き気が治まらない。


具合が悪いと自然と気分まで悪くなってしまい、心の中にできたモヤモヤとイライラを私は周りの物にぶつけていた。

お気に入りだったはずのクマのぬいぐるみも、私が毛をむしったからボロボロになってしまった。

花瓶にさしてある花も、私が花びらをむしってしまった。

近くにあった雑誌もビリビリに破いた。





当たる物がなくなると、頭の上から毛布を被って　ひたすらベッドの中に潜り込んでいた。


何も考えたくない…




だけど、そんな思いもむなしく　どこにいても何をしていても私の頭の中にはいつも必ず、まーの姿があった。


まーのことを忘れる時間なんて、一秒もなかった。




まーのことを考えれば考えるほど…

まーのことを想えば想うほど…



私の胸は締め付けられるように苦しくなった。





いつも優しいまー。


私が嬉しいときは一緒に笑ってくれ、私が悲しいときや辛いときは一緒に泣いてくれた。

私が落ち込んでいると、ふざけて笑わせてくれた。


私を喜ばせようと、いつも一生懸命考えてくれた。



どんなまーも全部、大好き。



これからもずっと、お別れの日が来るまでは　私だけを見てくれると思ってたのに…。


やっと最期に幸せになれたって信じていたのに…。




なのに…











まーはもう、私だけを見ていない。


まーには他に大切な人がいる。





私はこのまま、孤独に一人で死んでいくんだ。



誰にも本気で愛されないまま…










悔しさと嫉妬と悲しみで気が狂いそうになった。


涙が溢れて、ベッドのシーツをグショグショに濡らした。





気がついたら私は震える手で、まーにメールを送っていた。