ハート
『“好き”の意味もよくわからないとか言ってる人に、彼女つくる資格なんてない』

『前は、海外に転勤になるからって一度私を突き放したのに、どうしてその人とは平気でヨリを戻せるの?』

『俺は遊び人だから結婚なんてしないって言ってたじゃない。なのに、結婚とか同棲とか意味わからない。言ってることが矛盾してるよ』

『どうして私が余命わずかだって知っていながらそんなことできるの?今じゃなくたって良かったじゃない。 まーには未来があるんだから、これからいくらでも何でもやり直せるじゃない。 私には未来がないんだよ?  今は私だけを見ててほしかったよ』



今まで言ったこともないような、自分でもびっくりするくらい汚い言葉を、私は何度もメールに書いて送った。


ほとんど無意識だった。


こんなふうに吐き出しでもしないと、今にも壊れてしまいそうだった。




そして、まーから届いた一通の返事。


『ごめんね。ナナは何にも悪くない。俺が全部悪いよ。もう少し、色々考えてみるね』




このメールに対して私が送った一通が、止めとなってしまった。




『考えるって言って、結局今まで何も変わったことないじゃん。意味ないじゃん』




この一言が鋭い刺となって、まーに深い傷をおわせてしまったのだ…

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