ハート
朝になり、 夜勤あけのまーがエスティマで私を迎えにきた。

まーも一晩寝ていないのが、顔を見てすぐわかった。




まーの家に着き、こたつを挟んで向かい合わせに座った。

いつもは必ず隣でくっついて座っていたから、向かい合わせなんて珍しい…



私たちはぎこちない会話を繰り返しながら、なかなかお互い本題に入れずにいた。







「あのさ…一晩、考えたよ」

最初に切り出したのは、まーだった。



「うん…」


なんとなく、まーを真っ直ぐに見ることができなかった。



「やっぱり……別れることは、できない。ごめんナナ……」





わかっていたはずなのに、覚悟していたはずなのに……

それでもやっぱりその一言は大きな刺のように突き刺さった。



涙が一粒、ポロリとこぼれ落ちた。


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