ハート
母が傍についていてくれるのは心強かったけれど、同時に不安もあった。


私のことを心配するあまり、自分のことに構っている余裕のなくなった母は、最近 睡眠も食事もろくにとっていなかった。

このままでは、お母さんまで倒れてしまう…





それから もう一つの不安は、私がいなくなった後のことだった。


母は、私のことを本当に本当に大切に、愛情いっぱいに育ててくれた。

そんな大切に育てた娘が自分よりも先に命を絶ってしまったら、母はどんなに嘆き悲しむことか…

今でさえ、こんなに泣いてばかりの母が 私が死んでしまったりしたら、残りの人生泣いて終わってしまうんじゃないかというくらい悲しむに違いない。


せめてもの救いが、弟がいるということだ。


私がいなくなってしまっても、弟がいる限り きっと母は、生きなければと思うはずだから。


だから弟には、死ぬまで母のことをしっかり支えていってほしい。
私の分も。


そして、私がいなくなっても家族3人で支え合って生きていってほしい。



辛いことがあったら、次はきっと良いことがあるはずだから。


別れのあとには出会いがあるように…





人生は、そうやって必ず平等にできているから。

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