ハート
その日は、埼玉の田舎の方へドライブした。


我慢できなくなると途中で車をとめて、こっそりキスやハグをした。


一通りドライブをしたあとは、久しぶりにまーの家へ行って抱き合った。


もしかしたら、もうまーと抱き合うことも二度とできないかもしれない…


まーの体も温もりも全て忘れないように…私は強く強くまーに抱きついた。

















気がつけば辺りはもう暗くなっていて、 お別れの時間が近づいていた。


帰りの車の中でも、いつものように他愛もない会話をしながら帰った。


今まで幾度となく一緒に過ごしてきた日曜日が、これが最期になるかもしれないなんて まるで想像もつかなかった。

そのくらい、いつもと変わりのない帰り道だった。






あっというまに私の家の前につき、まーとのお別れの瞬間がやってきてしまった。


「じゃあね」


「うん。ナナ、体辛いだろうけどしっかりね。」



「うん…」




返事をするのが精一杯だった。


これ以上何か言ったら、涙が一気に溢れてしまうだろう。



最後にもう一度、まーの方に向き直ると目があった。


まーも、真っ直ぐに私を見つめていた。



まーのその瞳も、どこか寂しそうに見えたのは気のせいだろうか…






私たちは、そのまま最期にキスをした。


別れを惜しむように、舌と舌を何度も絡めて。
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