不思議の国とアリスのゲーム



やがて奥から姿を現したのは琥珀色をした髪を後ろで緩く結った男だった。


右手には杖がある。





「チェシャ、あの人誰?」



コソッとチェシャ猫の服の裾を引っ張りながらアリスが聞いた。


それにチラッと視線を向けてチェシャ猫は答える。





「我が館ってさっき言ってたでしょ?アレがハンプティ=ダンプティだよ」




「あの人が・・・?」





ハンプティ=ダンプティへと視線を向けたアリス。


その視線に気付いたのかフッと笑ったハンプティ=ダンプティ。





「Chess Tournamentに受付に来たんだね。受付はこっちだ」




長い闇色をしたマントを翻して奥へと進み出したハンプティ=ダンプティに黙ってついていくチェシャ猫。

おいてかれぬようにアリスも慌ててついていく。



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