不思議の国とアリスのゲーム
サラサラと書いていくチェシャ猫は、自分の名前を最後に書くとん、とアリスに羽ペンと紙を渡した。
「えっと・・・アリス=リデル・・・と」
「それじゃ、正式に参加すると認め、フルーラをあげよう」
「・・・フルーラ?」
何それ?というふうに呟いたアリスに、先ずは見てご覧、とハンプティ=ダンプティは言った。
「フルーラ。この国では夢幻の女神と伝えられていてね。
『夢幻華装置(フルーラ)』は、そのフルーラの化身と言われている宝石が源だから、そう私が名付けたんだ」
言いながらハンプティ=ダンプティはメイドから手の平サイズの硝子ケースを受け取ると、アリス達の前で開けた。
中には紅色をした宝石がついたチョーカーが二つあった。
「このフルーラをつけて、Chess tournamentには参加してもらうんだ」
「・・・綺麗・・・あれ?コレ・・・」
「気付いたようだね。それが宝石・・・シェルーの特徴だよ」
アリスが手に取ってみたチョーカーの宝石・・・シェルーはアリスを逆さまに写していた。
「シェルーを探すときは、それを特徴にして探すんだ」
「そうなんだ・・・」
へぇ・・・と見つめるアリス。