不思議の国とアリスのゲーム
うわー、と辺りを見渡すアリス。
「それじゃ、先ずはフルーラをつけて」
「あ、うん」
フルーラを首に付けるとカチッと小さく音がした。
チェシャ猫を見ると、自身も首に付けていた。
「アリス。Chess tournamentについてはどこまで知ってんの?」
「え、・・・と、勝ったら賞品が貰える。マスターとピースがいて、精神力と体力が・・・必要?」
「・・・・・・何にも知らないんだな」
「ご、ごめん・・・ι」
ガクッとうなだれたアリスに、予想範囲内だよ、というチェシャ猫の声が。
「《Chess tournament》。
ルールは、審判がはっきりと勝者と敗者を決めるまでマスターはマスター同士、ピースはピース同士戦い続ける。
又は、どちらかのマスターが負けを認めるまで」
「へぇ・・・って、私も戦うの?私、戦闘力ゼロだけど・・・?」
驚いたようにアリスが言うと、心配無し、とチェシャ猫が言う。
「前に言ってただろ?マスターは精神力。ピースは戦闘力が必要になるって。
マスターであるアリスは、戦闘力がゼロでも問題無し」
「そ、そっか・・・」