不思議の国とアリスのゲーム
「それにしても、マスターまで戦う事になるなんて・・・」
はあ、と困ったようにため息をはいた那紅琉。
「ま、問題無しだろ?」
「・・・まあ、そうですね」
ニッと笑って言ったノエルに、那紅琉もニッと笑って答えると扇子を構えた。
「どうした!?かかって来ないのか!!」
相手側の赤髪の女性が叫んだ。
そちらをチラッと見た二人。
「来ないのならこちらから行くぞ!」
持っていた細身の剣の切っ先を那紅琉達へと向ける。
それにノエルが困ったようにへらっと笑った。
「ん〜。それは面倒だなぁ」
「そうですね。それじゃあそろそろ・・・」
「終わりにしますか」
それぞれダッと自分の相手へと駆け出した。
「くっ!」
向かってきた那紅琉に赤髪の女性は剣を構える。
それに怯む事無く那紅琉はどんどん近づいていく。
「黒龍!!」
女性がそう叫ぶと剣から黒い龍が飛び出し那紅琉へと襲い掛かった。