不思議の国とアリスのゲーム




―†50年前†―






「では、発表します。今年のファッションランキング。
一位の地区は・・・ウィンディーラ!!」





司会者の発表に沸き上がった歓声。






「そして、今年も同時一位で・・・ルビィローゼン!!





また、沸き上がる歓声。


そんな中、一つの声が響いた。






「納得いかないわっ!!」




大きな歓声の中、掻き消える事無く響いたのは女の声。


誰もが喜ぶのを止め、声の主へと視線をやる。





「そうよ!今年も同時一位がいるなんて、可笑しいわよ!!」





皆の視線の先には、サラサラとした水色の髪をした二人組の女性がいた。


一人はショート、もう一人はお尻まであるロングだが、二人ともそれ以外は瓜二つだ。




綺麗な整った顔立ちだが、二人ともキッと司会者を睨んでいる。






「し、しかしですね。投票結果は二地区とも同票という・・・」






タジタジとしながら司会者が言う。





「だからっ!!それが可笑しいって言ってるのよ!」




「明らかに私達ウィンディーラの地区の方がよかった筈よ!!」





「し、しかし・・・」





「ズルよ!ルビィローゼンの奴らはズルをしたのよ」




「絶対そうよ!」





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