不思議の国とアリスのゲーム
†3 Memory†
ザーザーと雨が降りしきる中、アリスはその男をじっと見た。
いや、実際はその男の頭についている『猫耳』を見た。
「・・・なんだよ?」
「あ、いえ。
助けてくれて、ありがとうございます」
男はアリスが何をそんなにじっと見ているのかと思った後、手をアリスに差し出した。
アリスはその手を遠慮がちに掴んでゆっくりと立ち上がった。
「・・・あの〜」
「何だよ」
「それ、本物?」
男の頭についている猫耳を指差しながらアリスは聞いた。
「聞いてどうすんだよ」
「や、まあ・・・深い意味は。
ただなんで猫耳がと・・・」
まあうさ耳男を見たからだいたいわかる。
不思議の国とも言ってたし。
アリスはこれから出るであろう答えをまった。
「なんでって、チェシャ猫だから」
「あ、はい。ですよね〜」
予想どうりの答えがアリスの耳に聞こえた。
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