不思議の国とアリスのゲーム
門をくぐって先を歩くチェシャ猫の後をゆっくりとついて行くアリス。
ハートの城程ではないが、とても綺麗な庭であった。
「ハートの城とは違って、ここにはいろんな薔薇があるのね」
周りを見ながら歩いていたアリスは前をみると、そこにはチェシャ猫がいなかった。
「えっ、チェシャ?」
辺りを見回したがチェシャ猫の姿は見当たらない。
「どうしよう。逸れてしまったわ」
庭を眺めている間に、ゆっくりと歩いていたアリスはチェシャ猫と逸れてしまった。
「まあ、真っ直ぐに進めばそのうち追い付くわよ」
アリスは停めていたいた足をまた動かし始めた。
「そういえば、勝手にこんな所に来たから姉さん、心配してないかしら」
今更ながらアリスは家にいる姉さんに黙って家から出たことに不安になってきた。
アリスの姉さんは普段は優しいが怒ると物凄く恐いのだ。
勝手に家をでたことがしられると、確実にアリスは怒られる。
「・・・帰ったら誠心誠意をもって謝らなきゃ」
いい嘘が思い浮かばなかったアリスは、覚悟を決めて謝ることにした。