不思議の国とアリスのゲーム
帽子屋はチェシャ猫の前に紅茶が入ったカップを置いた。
「女王は城に帰ったし、ルーイのほうは森のなかじゃないか?」
紅茶を飲みながら帽子屋が言った。
「ちょうど入れ違いになったか・・・」
「そういえばおまえが一人で来るなんて珍しいな」
「いや、アリスと来た」
「ぶっ!!!」
チェシャ猫が言った途端帽子屋は飲んでいた紅茶を吐き出した。
それは見事にめのまえにいたチェシャ猫の顔にかかった。
「・・・」
「わ、悪ィ、
や、アリスって、もう新しい『アリス』見つかったのか!?」
無言で帽子屋を睨むチェシャ猫に慌てて謝った帽子屋だが、アリスの言葉に反応した。
「俺も会いたい!
・・・ってアリスは?」
ガタッと椅子を鳴らしながら立ち上がった帽子屋は辺りをキョロキョロと見渡した。
「・・・あ」
暫くの間の後、チェシャ猫は思い出したかのような声を出した。