不思議の国とアリスのゲーム
その頃のアリス―
「へー、蕾の薔薇っていうのも綺麗なんだ」
まだ咲ききれていない薔薇を見ながら歩いていた。
アリスが選んだ道は右の蕾の道だった。
「それにしてもチェシャ、何処なんだろ」
道を間違えたかな・・・
アリスは不安になってきた。
「あれ、なんだろあれ・・・」
アリスの視線の先には真っ白な家があった。
「あそこが帽子屋の家なのかな」
小走りでアリスはその家に近付いた。
「すみません、誰かいませんか?」
ドアをノックしながら呼びかけたアリス。
だが中から声は聞こえない。
「・・・いない、のかな?」
「誰・・・ですか?」
後ろからいきなり声をかけられたアリスはビクッと肩を揺らした。
「すままみま、やっ、ふぇあっ!?」
驚いたアリスは自分でも何を言ってるのか分からないような言葉を言った。
それはめのまえにいる人も同じでキョトンとした表情をしていた。
するとその人は手に持っていた籠の中から何かを取り出してアリスの前まで来た。