不思議の国とアリスのゲーム
「どうぞ」
扉の中から王女とは違うりんとした声が聞こえた。
中にはいるとさっきとは違い高い天井から暖かな光りが点いていた。
そしてアリスは中央に目を向けて目を見開いた。
アリスの視線の先には・・・
「あ、アリスーーーッ!!!」
アリスをこのゲームに無理矢理連れ込んだ張本人、白兎のルーイ=ラビットがいた。
そして白兎はアリスを見つけると勢いよく飛び付こうと走って来た。
が、
「こんの白毛玉ーーーーっ!!!」
「ブホェッ!!?」
白兎がアリスに抱き着く前にアリスは白兎をおもいっきり殴った。
白兎は床の上に倒れ込むと殴られた頬を手で摩りながらアリスを見た。
「アリス、何故殴るのですか!?」
「五月蝿いっ!あんたのせいで私はこんなところに来て!!」
「あ、お礼ですか?いいですよ!!
僕はアリスに会えただけで十分です」
「どこをどう聞いたらそんな思えるのっ!?」
満足そうに瞳をキラキラと輝かしながら白兎はアリスに言った。