不思議の国とアリスのゲーム




チェシャ猫と女王は五月蝿いと言わんばかりに耳を塞いでいた。




「い、嫌ですよ陛下!
あんな野蛮な人と一緒にいるなんて・・・考えただけでもぞっとします!!」





必死に女王に訴える白兎を見てアリスは


そこまで嫌なのか!?



と思った。





「だいたい、なんで僕が「俺が頼んだんだ」





白兎にかぶって誰かの声がした。



みるとこの城にきたときに見た王女の執事、シルヴァ=ライアがいた。





「シルヴァがですか?
何故ですか!!」





「セリアはおまえが脅せばいうこと聞くから。
俺が連れ戻すという仕事が減って楽になる」





そう言っている執事はどこと無く嬉しそうに言った。


相当王女を連れ戻すことが大変なのだろう。




「兎、これはわらわの命令だ。

わらわの命令に背くのであれば、首をはねるぞ」





いつの間にか椅子に鎮座していた女王が、白兎を見ながら言った。




悔しそうにしていた白兎が、やがてはあっと溜め息をはいた。





「仕方ありません。

その仕事、引き受けましょう」





諦めにも似たような感じに言った白兎の言葉に執事は嬉しがる。





「よしっ!明日っからよろしくたのむぞ!」





そういうと執事は部屋からでていった。
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